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September 20, 2006

『雪夫人絵図』溝口健二
梅本洋一

 およそ25年ぶりに『雪夫人絵図』を見る。もちろん木暮実千代主演の女性映画ではある──溝口だから当然!──のだが、今回、見直してみると、このフィルムは、リゾートの映画だということがよく分かる。旧宮家の信濃家の熱海の別荘に、雪夫人(木暮)にあこがれて長野からやってきた濱子(久我美子)が女中奉公する件から始まる。借金が嵩んで旅館になるこの別荘は、熱海の起雲閣である。明治時代の実業家の別荘として建築され...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:09 AM

September 19, 2006

マンチェスター・ユナイティド対アーセナル 0-1
梅本洋一

 開幕から連勝のマンU対未だ勝ち星のない(チャンピオンズリーグの緒戦ではハンブルガーSVによれよれで勝ったけど)アーセナル。キックオフ以前から勝負がついていたようなゲームだ。それにアンリもファン・ペルシも怪我のアーセナル。頼りないアデバイヨールの1トップ。グッドニュースの皆無のアーセナル。けれども、何度も書いているように、今シーズンのアーセナルは決して悪くない。負けたゲームだって、内容で勝って結果...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 12:58 PM

September 18, 2006

『LOFT ロフト』黒沢清
藤原徹平(隈研吾建築都市設計事務所)

「LOFT」というタイトルは、映画の最初のシノプシスで主人公が屋根裏部屋に引っ越すという設定だったことに由来していて、最終的にはそのような建物は見つからなかったから舞台として使われず、あまり映画とタイトルは関連性がないというようなことを、黒沢氏自身が質問に答える形で述べている(『黒沢清の映画術』)が、それはつまり、「1LDK/南面バルコニー/トイレ別/ロフトあり」のいわゆる「ロフト」という建築形...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 11:23 AM

September 17, 2006

『スーパーマン・リターンズ』 ブライアン・シンガー
結城秀勇

この携帯電話の普及した現代でスーパーマンはどうやって変身するのか。というのは誰でも思いつく疑問だろうと思うのだが、しかしながら『スーパーマン リターンズ』における最初の変身シーンでは、クラーク・ケントは月日の流れの前に呆然としながらも、公衆電話ボックスを探して右往左往したりはしない。むしろ人目をはばからずに歩道を走りながらシャツを脱ぎ捨ててしまうのだ。 「鳥か、飛行機か、……いやスーパーマンだ!...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:23 AM

September 16, 2006

THEATRE MUSICAの「映画館」
結城秀勇

 THEATREPRODUCTSの音楽部門であるTHEATRE MUSICAが行う、無声映画に生演奏をつけるというイヴェント。先日の溝口健二のイヴェントで上映された『東京行進曲』を見逃していたので行ってみる。プログラムは、ニューヨークの地下鉄が開通した7日後に撮影されたという『Interior New York Subway, 14th Street to Times Square』(G.W."B...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 9:52 PM

September 8, 2006

『パビリオン山椒魚』冨永昌敬
藤原徹平(隈研吾建築都市設計事務所)

 映画冒頭でご丁寧にも「本物とか、偽物とか、どっちでもいいの」という前振りがあり、エンドロールの途中で、実はついていたひとつの嘘の告白をさせているくらいに誠実な映画監督冨永昌敬氏の本格展開処女航海。  試写での周辺座席の評判は「不可解」の異口同音に溢れていたが、それは多分違っていて、ひとつひとつは解りやすいくらいに解りやすく、とてもロマンチックだったし、オダジョーだって素敵に滑っていたし、香椎由宇...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 2:55 PM

September 5, 2006

『サラバンド』イングマール・ベルイマン
梅本洋一

 登場人物わずか4人。彼らのカンヴァセーション・ピースですべてを成立させている聡明で賢明で、そして単純なフィルム。別離して30年になるかつての夫婦の対話と、老人と孫、父と娘の対話だけで成立しているこのフィルムは、ほとんどシェイクスピアの後期ロマンス劇が立ち至った和解と寛大さの境地を共有している。『冬物語』、『ペリクリーズ』、『テンペスト』……。否、シェイクスピアだけではない。『三人姉妹』、『かもめ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 7:44 AM

August 30, 2006

『ブラック・ダリア』ブライアン・デ・パルマ
梅本洋一

 ジェイムズ・エルロイの傑作ノワールをデ・パルマが映画化。それだけでワクワクするのはぼくだけではないだろう。多くの人物に等価に光を当てて、複雑な物語を語るエルロイとバロック的映像を多用するデ・パルマの齟齬を不安視する向きもあるだろう。いったい今のハリウッドに『ブラック・ダリア』に出演することのできる俳優たちはいるのだろうかという危惧もある。でも、そんないっさいの不安や危惧よりも、デ・パルマとエルロ...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 1:56 PM

August 25, 2006

『水の花』木下雄介
梅本洋一

 PFF出身の俊英の新作。俳優の演出の面でぎこちなさは残るが、このフィルムを弱冠24歳の監督が撮影したとはやはり俄には信じがたい。父母の離婚後、父の許に残った女子中学生が、ひょんなことから父との離婚の原因になった母の子に出会い、ふたりの奇妙な時間が過ぎていく。それだけの話だ。だが、フィックスのショットに収まった中学生の揺れが正確に伝えられている。その主題、その方法の面で、この作り手は明らかに映画作...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 8:06 AM

August 17, 2006

『叫』黒沢清
梅本洋一

 ここには『回路』がある。ここには『CURE』がある。ここには『降霊』がある。そしてここには孤独な刑事がいる。だからここには『カリスマ』もある。だから、『叫』で黒沢清はそれまでの自らの集大成を行っているのかもしれない。映像や演出の面でも話法の面でもそれは確かだ。だが、それ以上にこのフィルムには地霊が棲みついている。かつて鈴木博之が書いた書物に『東京の地霊』(文藝春秋)があった。東京から選ばれた13...全文を読む ≫

投稿者 nobodymag : 10:32 AM

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